#4「覚えた」と「理解した」の違い
今回は「覚えた」と「理解した」の違いについて考えていきます。
「覚えた」は勉強など暗記するときに使い、「理解した」というのは何かの流れや仕組みがわかったときに使うことが多いんじゃないかなというのが僕のイメージです。
では、言葉の意味から見ていきましょう
覚えるの意味(動詞)
①そう思われる。感じる。意識する。
②心に思い浮かべられる。思い出される。
③似る。
④他人からそのように思われる。
⑤思い出して話す。
⑥学んで知る。教えられて習得する。
⑦(「憶える」とも書く)忘れず、心にとどめる。記憶する。
⑧肝に徹する。
理解の意味(名詞)
①物事の道理をさとり知ること。意味をのみこむこと。物事がわかること。了解。
②人の気持や立場がよくわかること。
③〔哲〕(→)了解2に同じ。
了解2がこちら👇
②〔哲〕(Verstehen ドイツ)ディルタイでは、文化的産物を心的生活の表現と見て、その内的意味を感情移入や追体験によってとらえること。精神科学・解釈学の根本方法とした。これを受けてハイデガーは、人間とは自己の存在をつねに了解しつつその可能性を企てていくものと見て、了解を人間の本質構造として定位した。理解。
(出典:
品詞
まず、大きな違いが「品詞」です。
覚えるは動詞、理解するは理解という名詞と動詞がくっついたものです。
考える、読むなどはよく使われますよね。これは動詞です。
名詞では、思考する、閲覧するのように名詞+する、で使われますがあまり言いませんよね。ただ、勉強する、テストするなどはよく使われると思います。
僕が思うに、名詞の代わりとなる動詞があればそっちが多く使われるのではないかと思います。まあ動詞なので当然ですね。
思考➡考える、閲覧➡読む。など
勉強➡?、テスト➡?となり、動詞がない場合は動名詞が使われるのかと?
それぞれの品詞がどのような時に使われるかというと
動詞が主に動作や状態、変化を表し、通常は主語や目的語を伴います。
例えば、覚えるは主語がくっついて何かを覚えるという動作。
名詞は物体・場所・性質など具体的な対象を示すのに使われます。
名詞+「する」では特定の行為を表現します。(動名詞)
例えば、勉強する。これは勉強という特定の行為(=学問を学ぶこと)をするということです。
理解する。では、理解という特定の行為(=物事の道理がわかること)をするということです。
さて、本題の意味の違いについてみていきます。
昔の意味と現代使われている意味の両方を見てみます。
今と昔の「覚える」
昔:自分自身の心の中に何かしらの変化があったときに使われてると思います。
なので現代の「思う」と似たような感じでしょうか?(上の①②④の意味)
例えば、「心あらんと友もがなと、都恋しうおぼゆれ」
訳➡情緒を介するような友がいたらなあと、(そういう友のいる)都が恋しく思われる。 (出典:徒然草一三七)
今:物事を記憶する意味で使われていると思います。
今と昔の「理解」
昔:なし。(「心得」という言葉が昔の理解するという意味だと思います。理解する、精通する、承知するなど)
今:物事の道理がわかるという意味で使われていると思います。
(道理がわかる=物事の原因や理由に当てはまる点に気づく。という意味)
まとめ
品詞から見ると、名詞を言い換えられる動詞がある場合は優先的に動詞、動詞がない場合は動名詞を使うと思います。
建物、物体、本の名前など物事をただ記憶したという場合は「覚える」、
先生が話している内容の筋がわかる。のように内容の本質がわかる場合は理解したが使われるのではないでしょうか?
ちなみに英語では覚えるがremember(思い出す、覚えている)、memorize(記憶する)、理解がunderstand(理解、把握、了解)、comprehension(理解、了解、包含)、realization(実現、実行、貫徹)でしょうか?
結論
「覚えた」は物事を記憶したときに使う、「理解した」は物事の本質がわかったときに使う。そして動詞がある場合、動詞を優先的に使う。(のかも)