身体の探求

疑問に思ったことについての記事を書きます。

#12 循環系の概要

 

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今回は循環系の概要についてです。

 

最初に、循環系とは何かところについてです。

循環という名前なので何かが流れているということがわかります。

それは「血液」で、「血管」の中を流れています。

そして身体の組織に栄養を供給したり老廃物を回収したりします。

赤血球はO₂とCO₂を組織に輸送、組織から回収、

血漿は栄養と老廃物を組織に輸送、組織から回収します

例えば、荷物を運ぶトラックで考えてみるとトラックは工場から荷物を受け取って出発し、組織に荷物を届けます。こんなイメージです。

人間は血液が循環しないと死んでしまうので血管・血液はすごく大事です。

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血液は全身を循環しますが、上から下まで血液が流れるためには何かしらの力が加わる必要がありますが必要です。

細かく分けるとたくさんありますが、大きく3つの作用により血液は流れています。

1つ目に、「心臓」です。心臓の左心室から勢いよく血液を出すことで全身にいきわたります。この拍出が弱くなったものが僧帽弁閉鎖不全症、不整脈でいうと心室頻拍などがあります。

2つ目に、「圧力」です。血液には心臓から押し出される際の圧力、静脈圧がかかります。しかし、血管は閉鎖回路なので静脈圧による血流は生じません。

胸腔内では吸気に陰圧になることで血液を吸引して血液の環流に、呼気では腹部の圧迫により血液が環流します。

心臓から動脈へ血液が押し出されると弾性動脈は拡張し、元のサイズに戻るときに血液を押し出します。弾性繊維は大動脈や肺動脈に多く含まれています。

3つ目に「筋」です。骨格筋の収縮により血管は押されて血液が流れます。また、血管壁に存在する平滑筋によっても押し出されます。平滑筋は不随意で意識的に収縮できるわけではないですがホルモンの働きにより収縮や拡張を行います。そのため、情動も関与して収縮・拡張を行います。

最後に「弁」です。静脈には弁が存在し、血液の逆流を防いでいます。この機能が破綻すると血液が戻せなくなり静脈瘤を生じます。

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流れている血液はどのような役割があるのか。

主にこの4つになります。酸素や栄養の供給、二酸化炭素や老廃物の回収、ホルモンなどの伝達物質の輸送、体温の調節などを行います。

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血液の循環経路は「肺循環」と「体循環」の2つに分けられます。

肺循環は右心室➡左心房、体循環は左心室➡右心房の経路です。

これらを電気回路で考えてみます。

肺循環は直列回路で、体循環は並列回路になります。

電球が心臓、I=血流量、V=血圧、R=血管抵抗です。

そうすると、心臓から拍出された血液はすべて肺に行くことになります

そのため、肺循環が障害されると心拍出量に直接影響を与えます。

体循環はそれぞれの臓器に血液を配分しています。(※実際には肺循環で気管支動脈からの供給、体循環で気管支動脈、冠動脈への排出がわずかにあります。これを生理的シャントといい、血液が本来通るべき血管と別のルートを流れること

 

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